こんにちは!就業規則サポートセンターです。
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。さて、9月というと高齢者のことが何かと話題になります。働く場での高齢者(65歳以上)というと、定年延長で70歳まで雇用される方が多くなり、元気に働く高齢者が増えています。
一方、高齢者の労働災害が増えていることも現実です。今日は労働者災害補償保険(労災保険)についてお話します。
労災保険というと、
「仕事中のケガを補償してくれるんでしょ! でも手続きが面倒だと聞きますが?」
「労災保険を使うと労基署に目を付けられちゃうんでしょ?」
「会社の労災保険料が上がっちゃうでしょ?」等々。
そんなイメージを持つ方もいると思います。
労災保険はその日だけアルバイトに来た学生が、たまたまケガをしてしまっても補償されます。会社としては病院に提出する用紙を作成する必要がありますので、ちょっと手間かもしれませんが、それによって労基署に目を付けられるとか、保険料が上がってしまうとかそんな心配をする必要はありません。
■労災保険の特徴をピックアップして説明します!
<事業主の利点>
労働基準法では業務に起因するケガや休業・障害・死亡・他について事業主に補償義務を規定しています。
しかし、障害や死亡の補償は大変高額です。事業主は労災保険の保険料を支払う事により労働基準法上の補償義務が免除されます。(厳密には待機3日間は労基法の補償義務が残ります。)
これが事業主としての最大の利点です。
<受傷労働者の利点>
・医療機関での診療費等の支払いはありません。
仕事中にケガした場合でも健康保険証を使って受診しているケースを耳にすることがありますが、これは違反です。
所定の手続きを行い労災保険で受診する事により、医療機関への支払いは発生せず治療に専念することが出来ます。入院の場合も同様です。
・受傷日を含め4日以上の休業には休業補償が給付されます。
ざっくりとした試算ですが、月給30万円の方は土日等も含め1日8千円が支給されます。仮に33日間の休業の場合、待機期間の3日間を除く30日分で24万円が給付されます。(およそ給与の80%が支給され、原則、治癒するまで支給されます。)
・このほかに障害が残った場合は、一時金や年金の給付が、死亡した場合は一定の遺族に対して遺族補償が給付されます。
・通勤についても同じ給付
労働基準法の規定では通勤中のケガは会社の責任ではないという理解で補償されませんが、労災保険では仕事中のケガと同様に給付されます。
当就業規則サポートセンターでは、就業規則に労災の根拠としての規定の仕方をアドバイスいたします。
また、当サポートセンターを運営するあすか社会保険労務士事務所では労災事故等の対応につきましても経験豊富なスタッフが相談・対応をいたします。お気軽にお問い合わせください。
《この記事を書いた人》
永井正勝/社会保険労務士 歴28年
川崎市役所、独立行政法人環境再生保全機構、総務省年金記録確認神奈川地方第三者委員会の職歴を経て、平成19年に社会保険労務士登録。平成20年にあすか社会保険労務士事務所を開業。「人を大切にする企業づくりから、社会に誇れる企業」へと成長する支援に尽力する『誠意の社労士』