「カスタマーハラスメント」に対する企業の対応はどうしたら!?についてお答えします

最近ネットの記事やテレビの特集で「カスタマーハラスメント」の言葉を多く見かけるようになりました。
今回は、最近何かと話題になっている「カスタマーハラスメント」を題材にブログを書いていきたいと思います。

この「カスタマーハラスメント」は、省略して“カスハラ”とも呼ばれ、パワハラ、セクハラと同様にハラスメントの一種です。厚生労働省は次のように定義づけをしています。

「顧客等からのクレーム・言動のうち当該クレームの要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもとであって、当該手段・態様により労働者の就業環境ががいされるもの」(厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」)

 

カスハラを経験したことがある人のうち、一番多い内容が長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレームです。ひどいケースとなると、その場での拘束や居座りは1時間を超えるものがあったり、電話によるクレームや頻繁に来店してクレームや苦情を繰り返すといった事例もあるようです。
そして、その過程において名誉棄損や侮辱的な発言があったり、ひどい暴言が発せられていたりすることが多く、エスカレートしていくと接客者一人では対応できなくなり、その場全体の秩序をも乱してしまいます。

筆者も前職はサービス業に従事していましたので、利用者から度を越えた理不尽なクレームを受けたりすることも多々ありました。その時を思い出すといい気持ちにはなれません。
このようなカスタマーハラスメントに企業はどう対応していくのか。

現在、企業としての姿勢が求められています。最近では、日本の大手航空会社2社が共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定したということがニュースに上がっていました。

実はその判断基準は企業のカスタマー対応の方針により異なります。その意味で、企業ごとに企業の方針、実情にあった「カスタマーハラスメント対応マニュアル」を作成することが重要だと考えています。

■大切なのは企業の対応を確立させておくことです。

ここで重要なことは、企業は労働者が働く環境において、労働者の安全を確保する義務があるということです。
執拗なクレームの結果として、労働者の安全が守られない恐れがあったり、繰り返される恫喝や罵声、暴言により労働者の精神的な負担がのしかかることがあったりしてはなりません。

企業と顧客等が常に良好な関係でいられる企業運営ができることが理想ですが、起きてしまったことを想定して、事前に企業としての対応の方針を決めておくことが何よりも大切です。

就業規則サポートセンターでは、ハラスメント防止コンサルタントを配置しています。カスタマーハラスメントだけでなく、ハラスメント全体の対応や相談にも応じていますのでお気軽にご相談ください。

 

《この記事を書いた人》

永井正勝/社会保険労務士 歴28年
川崎市役所、独立行政法人環境再生保全機構、総務省年金記録確認神奈川地方第三者委員会の職歴を経て、平成19年に社会保険労務士登録。平成20年にあすか社会保険労務士事務所を開業。「人を大切にする企業づくりから、社会に誇れる企業」へと成長する支援に尽力する『誠意の社労士』

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