これまで順調に事業を成長させてきたわけではありませんが、地道にやってきたことが実を結び、たくさんの従業員に支えられてやってこられた毎日を振り返り、ふと就業規則に意識を向けたとき、なんと20年も前に作成したものだということに気がつきました。
20年前というと、インターネットの普及もままならず、スマートフォンなどもなかった時代です。そんな時代の就業規則が、いまの時代に沿うわけはありません。すぐさま、就業規則の改定を決意しました。
はじめに頭を悩ませたのは、法令改定が盛り込まれていなかったことです。しかし、私がそれに精通しているはずもなく、早速困ってしまいました。さらに、インターネットやスマホ、とくにSNSに関連した利用ルールなども、各自のモラルに任せっきりで、まったく規則としては触れられてもいないものでした。
そんなとき、就業規則サポートセンターの永井さんをご紹介いただきました。20年前の就業規則をお渡しし、ご意見を伺ったところ「社長。個々に記載されている内容の真意をヒアリングしながらブラッシュアップするよりも、いまの時代に合ったものと社長の想いを盛り込んだ就業規則を一から作り直しをしましょう!」と背中を押してくれました。
私自身、20年前の就業規則を読んでも「これは何のために必要な記述だろう?」や「今の常識とはかけ離れたルールだ」というものも多く見受けられたので、この提案には二つ返事でお任せすることにしました。
新しい就業規則を作るというのはとても大変な作業でしたが、打ち合わせの際、一つ一つの条文を、「これはこうゆう理由で必要です」とか、「こうゆう事態のときはここにこう書いてあるので安心です」など、とにかく丁寧に細かく説明してもらえたので、従業員から質問されても自信を持って答えることができました。
自分自身が理解していない書類が社内にあるということは大変なストレスです。20年前の就業規則が正にそうでした。これまでは従業員から質問されても、答えられなかったのです。しかし今回、就業規則を刷新したことで、経営者としての自信というものが芽生えた気がします。
社会を見つめ、日本経済を学びながら長年経営をしてきたからこそ、これからは自社で働く人々に目を向け、もっと会社を好きになってもらえるような、そんな経営者でいたいと思います。