就業規則は会社の成長のどのタイミングで作るべき?

「就業規則は、会社がある程度大きくなってからでいい」このように考えている経営者の方は、実は少なくありません。創業したばかりの頃は、売上づくりや営業活動に追われ、就業規則まで手が回らないというのが本音ではないでしょうか。
しかし、就業規則は「会社が大きくなったら必要になるもの」ではなく、会社が成長していく過程を支えるためのルールです。作るタイミングを誤ると、思わぬところでトラブルにつながることもあります。

では、実際にはどのタイミングで作るのが望ましいのでしょうか。まず一つの目安は、人を雇うことを決めたときです。正社員はもちろん、パートやアルバイトであっても、雇用関係が生まれれば、労働時間や休日、賃金、服務規律などについて、会社としての考え方を示す必要があります。
口約束やその場しのぎの対応では、後になって「言った・言わない」の問題が起こりやすくなります。

また、従業員が1人から数人の段階でも、就業規則が果たす役割は決して小さくありません。
人数が少ないからこそ、経営者と従業員の距離が近く、感情が絡んだトラブルに発展しやすい面もあります。そのようなとき、就業規則という「会社の共通ルール」があることで、冷静に判断できる土台ができます。


次に考えておきたいのが、会社が少しずつ成長し始めたタイミングです。
売上が安定し、従業員が増え始めると、これまで暗黙の了解で回っていたことが通用しなくなってきます。遅刻や欠勤への対応、残業の考え方、評価の基準などが曖昧なままだと、不満や不信感が蓄積してしまいます。

就業規則は、従業員を縛るためのものではありません。会社が大切にしている価値観や、働く上での基本的なルールを共有し、安心して働ける環境を整えるためのものです。その結果として、経営者自身も無用なトラブルや判断の迷いから解放されます。

「トラブルが起きてから作ればいい」と考える方もいらっしゃいますが、実際にはトラブルが起きてからでは、選択肢が限られてしまうケースが多いのが現実です。問題が表面化する前に備えておくことが、会社と従業員の双方を守ることにつながります。

就業規則を作る最適なタイミングは、「何人になったら」という数字ではなく、人を雇い、会社としての形が見え始めたときだと言えるでしょう。早めに整えておくことで、これからの成長を安心して進めることができます。
就業規則の内容や作成時期について迷われた場合は、専門家に相談することで、自社の状況に合った形を整理することができます。

将来のトラブルを防ぎ、安心して会社を成長させていくためにも、就業規則を作成していない会社は、早速検討してみてはいかがでしょうか。
就業規則作成に関するご相談は、就業規則サポートセンターにお気軽にお問い合わせください。

《この記事を書いた人》

永井正勝/社会保険労務士 歴28年
川崎市役所、独立行政法人環境再生保全機構、総務省年金記録確認神奈川地方第三者委員会の職歴を経て、平成19年に社会保険労務士登録。平成20年にあすか社会保険労務士事務所を開業。「人を大切にする企業づくりから、社会に誇れる企業」へと成長する支援に尽力する『誠意の社労士』

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